Ray Poynter

  https://newmr.org/people/ray-poynter/ Ray has spent the last 40 years at the intersection of research, innovation, and business, having been involved in the development of CAPI, online systems, online surveys, and social media research.

   



Articles by Ray Poynter

インサイトの継続的発見

好奇心とインサイトが交差する、企業との関わり方

はじめに – 「継続的発見」とは?  インサイトの専門家は通常、過去の記録を調べたり、顧客のユーザーグループに質問を投げかけたりして、未来を予測することを任務としている。発見とリサーチのためのアジャイルモデルが急速に導入されて需要を集めている中、継続的発見は、リサーチャーの支援策として自然にフィットするモデルだ。継続的発見とは、顧客との調査活動を頻繁に行うことで望ましい結果を求めることであり、顧客の収集と維持、顧客コミュニティ構築のためのモデルである。そのコミュニティを活用することで、継続的なリサーチが可能となる。 現在では、製品・サービスを問わず、顧客を理解して素晴らしい体験を提供することが、これまで以上に求められている。このような継続的発見プロセスを擁する企業は、コミュニティがすでに確立されているため、すぐに行動を起こして顧客の関心事を見つけ、必要なフィードバックを即座に得ることができるという大きなメリットを持っている。重要なのは、デジタル体験を最適化し、組織内で分野横断的なリサーチプロセスを持つこと。これにより企業は、自社の製品やサービスに対する顧客の長期的な関係性と信頼性を、確実に把握できるようになるのだ。 継続的発見のフロー 継続的発見の流れは5つのステップに分けることができる。どれもプロセスにおける重要な手順だが、確実にビジネスへと多大な影響を与えるのはステップ3~5だ。これらは継続的に調査を行い、インサイトを収集するステップである。最終的なフィードバックの実施により、インサイトがビジネスに与えるポジティブな影響を活用し、軌道修正することが可能となる。 ステップ1 – 主要なユーザーグループの選択 コミュニティに存在すべき主要なユーザーグループを特定する。これは、特定の顧客グループ、製品の使用状況、場所などに基づいて行うことができる。主要なユーザーグループは、いくつものカテゴリーにおいて決定できるが、すべて貴社の製品やサービスに関連する共通点を持つグループである。 ステップ2 – コミュニティへの直接リクルート 主要なユーザーグループが特定できたら、次にその顧客をコミュニティへリクルートする。これはコミュニティへの参加前に、適切な顧客かを判断するリクルート調査を通じて行うことができる。コミュニティメンバーのソースとしては、CRM、オンラインサンプル、ソーシャルメディア、ウェブサイトなどが挙げられる。 ステップ3 – 継続的な調査・定性調査の実施/新たな問いの創出 このステップでは、コミュニティのために立てた調査計画を実行する。後述する定性・定量の両手法を用いて、リサーチャーとステークホルダー双方の好奇心を煽る。リサーチを行うための下地がすでにできているため、機動的に活用できる。 ステップ4 – 継続的な“パルスインサイト”の導出 継続的発見のプロセスでは、リサーチが進むにつれ、リサーチャーは継続的にインサイトを導き出すことができる。また、フォーラムやアクティビティを積極的に傾聴することで、リサーチャーが思いもよらなかったような質問から気づきが得られることもある。さらに、コミュニティと行う計画的なリサーチからも知見が得られるはずだ。 ステップ5...
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