コンピタンスは差別化要因ではなく、共感があって差別化要因となる。

エグゼクティブ・サマリー ある研究によれば、感情は意思決定する際の主要な要因であり、感情がなければ私たちは決定することができない。 ある研究によれば、感情は意思決定する際の主要な要因であり、 感情がなければ私たちは決定することができない。 これは重要なインサイトで、事業を行う際に知らないではすまされない。 顧客が自分のことを伝える前に、その顧客のことを知っているとすればどうだろうか。 そして、カスタマー・ジャーニーの重要なタッチポイントで、これを毎日知ることができればどうだろうか。これがデジタルな共感であり、大規模な予測行動分析とともに用いることによって、企業は顧客にさらに共感することができ、社会的、経済的、環境的価値のトリプル・ボトムラインに持続可能でポジティブなインパクトを与えることができる。 事業を行うことは、受容と供給の正しいバランスを単に見つけることから発展してきた。 事業を行うことは、受容と供給の正しいバランスを単に見つけることから発展してきた。 今では企業は、利害関係者というエコシステム全体を倫理的なやり方で管理する必要がある。 顧客は、企業に顧客自身のことを知ることを日増しに期待している。 そして、共感(他者の感情の理解とそれに基づいた行動)が、ロイヤリティや再購入の最大の要因である。 未来志向の企業は生涯顧客価値が、獲得費用よりも極めて重要な指標ということを理解している。コロナウィルスの流行によって明らかになったのは、企業が生涯顧客価値の原動力を理解し、一生涯の関係をどう育てるかを知ることが、単なる顧客獲得より更なる成功をもたらすということである。 今日のほとんどの事業では、経営効率は必須となった。会社やブランドはコモディティ化した。 デジタル化へ突き進んで行くのとともに、 これにより多くの会社が顧客との関係のない領域で技術を発展させることとなった。 そして未だにほとんどのカスタマー・エクスペリエンス管理と顧客インサイトの手法は、現状に追いついておらず、デジタルが重要なものではなかった20年前の考え方に基づいている。 各業界の新たな勝者は、最も顧客の視点近く立つことができる会社となるであろう。 顧客がどこにいて、何を感じ、どう接してほしいかを理解する会社である。デジタル共感は黄金律を覆した。 顧客を自分が扱われたいと思うやりかたで扱ってはならない。そうではなく、顧客が欲するやり方で取り扱うのである。 対象とする読者...
Vivek Bhaskaran
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インサイトの継続的発見

好奇心とインサイトが交差する、企業との関わり方
はじめに – 「継続的発見」とは?  インサイトの専門家は通常、過去の記録を調べたり、顧客のユーザーグループに質問を投げかけたりして、未来を予測することを任務としている。発見とリサーチのためのアジャイルモデルが急速に導入されて需要を集めている中、継続的発見は、リサーチャーの支援策として自然にフィットするモデルだ。継続的発見とは、顧客との調査活動を頻繁に行うことで望ましい結果を求めることであり、顧客の収集と維持、顧客コミュニティ構築のためのモデルである。そのコミュニティを活用することで、継続的なリサーチが可能となる。 現在では、製品・サービスを問わず、顧客を理解して素晴らしい体験を提供することが、これまで以上に求められている。このような継続的発見プロセスを擁する企業は、コミュニティがすでに確立されているため、すぐに行動を起こして顧客の関心事を見つけ、必要なフィードバックを即座に得ることができるという大きなメリットを持っている。重要なのは、デジタル体験を最適化し、組織内で分野横断的なリサーチプロセスを持つこと。これにより企業は、自社の製品やサービスに対する顧客の長期的な関係性と信頼性を、確実に把握できるようになるのだ。 継続的発見のフロー 継続的発見の流れは5つのステップに分けることができる。どれもプロセスにおける重要な手順だが、確実にビジネスへと多大な影響を与えるのはステップ3~5だ。これらは継続的に調査を行い、インサイトを収集するステップである。最終的なフィードバックの実施により、インサイトがビジネスに与えるポジティブな影響を活用し、軌道修正することが可能となる。 ステップ1 – 主要なユーザーグループの選択 コミュニティに存在すべき主要なユーザーグループを特定する。これは、特定の顧客グループ、製品の使用状況、場所などに基づいて行うことができる。主要なユーザーグループは、いくつものカテゴリーにおいて決定できるが、すべて貴社の製品やサービスに関連する共通点を持つグループである。 ステップ2 – コミュニティへの直接リクルート 主要なユーザーグループが特定できたら、次にその顧客をコミュニティへリクルートする。これはコミュニティへの参加前に、適切な顧客かを判断するリクルート調査を通じて行うことができる。コミュニティメンバーのソースとしては、CRM、オンラインサンプル、ソーシャルメディア、ウェブサイトなどが挙げられる。 ステップ3 – 継続的な調査・定性調査の実施/新たな問いの創出 このステップでは、コミュニティのために立てた調査計画を実行する。後述する定性・定量の両手法を用いて、リサーチャーとステークホルダー双方の好奇心を煽る。リサーチを行うための下地がすでにできているため、機動的に活用できる。 ステップ4 –...
Ray Poynter
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NPSとチャーン

はじめに NPSは、CXを測定するための指標として広く用いられている。シンプルでありながら、顧客ロイヤルティ、ひいては収益性を予測する重要な尺度として注目され、世界中至る所で利用されており、多大な支持を集めている。 また「カスタマーチャーン(顧客解約件数)」は、好不調の波を乗り越えて企業を存続させることができる唯一の指標であることも分かっている。しかし、データサイエンスチームが専心的に取り組まなければ、チャーンの判断や、より重要な予測はほぼ不可能だ。大半のデータサイエンスチームは、「行動」に注目し、多くの行動変数と出口変数の相関を調べようとする。理論的には正しいのだが、これではリサーチャーに「なぜ」をもたらすことはほぼ不可能である。共関係モデルを与えるだけであり、因果関係モデルを与えるわけではないからだ。 本ホワイトペーパーでは、NPSモデルを強化し、運用的、認知的に簡単な方法を紹介する。 1.チャーンの理由(根本的原因)等の分離および特定を行う。 2.自動特定 – ダイナミックかつ自動的に理由をアップデートするためのモデルを確立する。 3.チャーン予測 – 中立者と批判者における理由特定の比較に基づいて行う。 NPSプログラム – 既存のプラットフォーム/プロセス/モデルの使用 退去/解約時の調査 ほとんどのNPSプログラムでは、解約した元顧客と連絡を取り、解約理由を判断するためのモデルが用意されている。これは事後的なものであり、将来的な良い方向性を示す指標にはなるものの、運用は困難である。時代とともに理由が変化していることに加え、「ベース」となる比較対象が存在しないことも一因だ。すでに解約した顧客だけを調査しているのであれば、まだ解約していない顧客、つまり既存顧客をベースとして比較することは非常に難しい。  継続的なNPS/チェックイン調査 既存顧客に対してNPSを継続的に使用している企業は、同じモデルを使用してチャーンを判断·予測することができる。継続的な運用調査を利用して判断するメリットは、メール/SMSの通知配信、トランザクションの計上、データの収集といった機能がすでに備わっていることだ。 NPSを判断するのは容易だが、根本原因のダイナミックな判断/分離·特定は、「なぜ」を中心としたテキスト分析に委ねられている。  大概のテキスト分析モデルは、調査においてうまく作用しない。これはNLP/トレーニングデータが一因だ。優れた機械学習モデルは、精度を高めるために多くの学習データを必要とする。 本ソリューションでは、顧客自身の集合知を活用することで、「なぜ」の答えを機能的に判断していく。...
Dennis Wakabayashi
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リサーチリポジトリとナレッジグラフ

持続可能なリサーチ組織構築のための実践的ガイド
概要 世の企業はここ数年で、プロダクト、コンシューマー、UXに限らず、リサーチ自体が戦略的な資産になると捉えるようになった。業績好調な企業は、リサーチが競争優位性や差別化要因を生むことを認識している。そのため多くの企業が、リサーチを軸にした社内機能、能力、部門を大規模に構築している。 社内のリサーチチームは、大企業のさまざまな部門に対するサービスプロバイダーとして機能する。大抵のリサーチチームには、多様なビジネスユニットからの質問が絶え間なく寄せられる。さらに重要なのは、特定の機能またはビジネスエリアに関するリサーチ結果があるかを、絶えず尋ねられることだ。 私たちは、インサイトへのアクセスを民主化するという最終目標に向け、インデックス化・検索・再利用が可能なナレッジベースを作成する、ビジネスに焦点を当てたタクソノミー(分類法)を持つインサイトリポジトリをリサーチチームが考案することを提言する。 インサイトリポジトリの主な利点は、先人のリサーチやインサイトを基に確立できることであり、一から作り直す必要がない。多くの企業が、顧客情報を一元管理するCRMに投資している。技術/ソフトウェアについても同様で、ソースコードは追跡可能で構造化されたリポジトリに保存され、事実の究極的なソースとして機能する。このフォーマットとシステムアーキテクチャは、リサーチ機能やインフラに応用できる。私たちは、リサーチチームがCRMやエンジニアリングのプレイブックを参考に、ただ一つの事実のソースを自分たちのために作成することを提案する。 この記事は音声でも聴くことができます。 インサイトリポジトリ リポジトリとは何か? “チーム全体による消費と再利用をサポートするために、リサーチデータ・メモ・記録・画像・動画・録音・ファインディングス・インサイト・レポート・メタデータなどを保存する、プラットフォーム・システム・ドライブ・データベース・コンテンツ共同作業ツール・ライブラリ・ナレッジベース・Wiki・ファイルキャビネットのこと。” – 2020年リサーチリポジトリ・ワークショップ、ResearchOps Communityのプロジェクト 私たちはこの定義をさらに拡張し、リポジトリが持つ、アーカイブファイルとの3つの大きな違いを指摘したい。 ・コンテンツがインデックス化され、検索性、アクセス性、閲覧性に優れている。 ・データに時系列的な要素がある。 ・チームが決定的に権威のあるソースとして受け入れている。  つまり、インサイトリポジトリとは、リサーチ担当や関連ステークホルダーが、組織が過去と現在の両方で実施したリサーチにアクセスできる、事実の中心的なソースと定義できる。インサイトリポジトリには、企業の全リサーチデータを整理・探索・検索・発見するための統合プラットフォームがあるのだ。 インサイトリポジトリが持つべきデータの重要な要素とは? インサイトリポジトリは、3つの基本的な段階のデータで構成される。 1.インサイト/テーマ/ストーリー 全体的には、インサイトリポジトリはタグ付けおよびインデックス化され、統一されたインサイトで構成されている。これは、定性・定量調査、ユーザー調査、カスタム調査、先進的な調査モデリング研究など、さまざまな調査タイプの過去および既存の研究から得られるものである。これらのインサイトはすべて、ビジネス・タクソノミーとメタタグを使用することで容易に検索できる。また、コスト支出、研究のROIなどもモニタリングし、時間やリソースの支出を把握することができる。...
Jamin Brazil
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