全国の大学生を対象に、メールサービスに関する利用状況や意見を収集するには、数十万人・数千の地域・数多くの変数が関係します。このような大規模かつ多様性の高い調査には、入力面と分析面の両方で大きな課題がありました。
【入力に関する課題】
4,000校を超える大学一覧を、そのまま回答画面に表示することは不可能です。いかにして回答者が迷わずスムーズに選択できる UI にするか。また、自由記述に頼らず、必要な態度情報を効率よく集める方法が求められていました。
【分析に関する課題】
収集したデータは非常に多様で、単純な集計では有益な示唆が得られません。州別、大学別、属性別など、多角的な比較ができなければ、ビジネス判断につながるインサイトを導くのは困難でした。
QuestionPro は、Google のニーズに応えるため、以下の 3 つの仕組みを中心に課題を解決しました。
• ダイナミック検索テーブル(Dynamic Lookup Table)
• 高度なレポート機能
• カスタマイズ版スポットライトレポート
これらを組み合わせることで、回答しやすさと分析しやすさの両立を実現しました。
全米 4,000 校の大学を一度に表示するのは現実的ではありません。そこで QuestionPro は、まず「州」を選択し、その州にある大学一覧だけが次に表示される仕組みを構築しました。これにより、膨大な項目を扱う際の負担を大幅に軽減しました。
さらに必要があれば、市名や郵便番号で絞り込むことも可能ですが、Google は回答負荷軽減を優先し、州レベルの分類を採用しました。
回答者が大学を選ぶと画面が更新され、キャンパスメールに関する質問や、Gmail の利用度、クチコミ意向などの質問へ進みます。
QuestionPro には強力な分析機能が標準搭載されており、Google は集まったデータを次のように自在に分析できます。
• 全体
• 州別
• 大学別
• 州 vs 州、大学 vs 大学 の比較
これにより、例えば次のような意思決定に役立つ比較が簡単に行えます。
• どの州でメールサービスの不満が最も多いか
• 私立と公立で満足度に差があるか
• 学生が共通して求める機能は何か
そして Google は、データを単に集めるだけでなく、「回答者にとって楽しい体験」にすることも意識しました。その中心となったのが、スポットライトレポートです。
通常のスポットライトレポートは「全回答者との比較」を表示しますが、Google のプロジェクトではこれをカスタマイズし、「同じ大学の回答者との比較」ができるようにしました。
回答者はアンケート完了後に、自分の回答が同じ大学の学生と比べてどうなのかをリアルタイムで確認でき、これが高い満足度と参加意欲につながりました。
また、この仕組みは大学調査に限らず、航空会社のマイレージ会員や小売チェーンなど、多層構造のデータを扱うさまざまな業種に応用できます。
まとめ:
Google のケースでは、入力のしやすさ、分析の柔軟性、回答体験の向上という 3 点を同時に満たすソリューションとなりました。ダイナミック検索テーブルと高度な分析機能を活用することで、俯瞰と詳細の両方から意思決定に必要なデータを導くことができます。